6月5日(日)礼拝メッセージ要旨
「主の御声に聞き従う」 Ⅰサムエル 12章7〜17節
Ⅰサムエル11章でイスラエルはアンモン人と戦いますが、その戦いで大勝利をえました。12部族から集まった33万の人々が、サウルの指揮の下で一つとなって戦い、自分たちより強いと思っていた相手に対して思わぬ勝利を得たことです。それでイスラエルの民は直ぐ、サウルを前イスラエルの王として立てました。これによってサウルは前イスラエルから認められた最初の王となりました。
このようにサウルが正式に王になった、ということはイスラエルに新しい変化が始まった、ということです。それは士師の時代は終わり、王様が治める時代が始まった、ということです。サムエルは最後の裁きつかさとなり、サウルは最初の王となります。本日の本文でサムエルは裁きつかさとしての最後の説教をしますが、その説教を通して神様の恵みに対する私たちの信仰について考えてみたいと思います。
まず、サムエルは1節〜6節で、イスラエルの民に自分の潔白について語ります。特に3節で、今までの私に何か不正や過ちがあったら訴えなさい、と語ります。最後の説教で何故このようなことを語るでしょうか。自分の潔白を確認するということはどのような意味があるでしょうか。それはイスラエルの民が王を求めた本音を確認するため、と言えます。イスラエルの民が王を求めた理由、それはサムエルの高齢化とサムエルの息子たちの行いが正しくなかったからでした。それを理由として新しく王を求めたということですが、本当の理由はそうではなかった、ということです。次に、サムエルは7節〜11節でイスラエルの歴史について語ります。神さまはイスラエルの民をエジプトから救い出してくださり、カナンの地に住まわせて下さいました。そして今まで、イスラエルの民を守り導いてくださり、安らかに住めるようにして下さいました。即ち、他の国々のように王はなかったですが、神さまがいつも共におられましてイスラエルを治め守り導いて下さいましたし、それには何の不足のなかった、ということです。
それなのにどうして王を求めるのか、ということです。イスラエルが王を求める本当の理由、それは神さまではなく、人間の王に頼りたいということでした。目に見えない神さまではなく、他の国々にように目に見える力強い人間の王が自分たちを守ってほしいということだったのです。そのような思いで王を求めるイスラエル、それでも神さまは彼らの願いを聞いてくださり、サウルを王として選んでくださったのです。ですから、自分たちの罪を悔い改めてこれからはただ主を恐れ、心を尽くして、誠実に主にのみ仕えなさい、と進めるサムエルです。このように憐れみ深い、恵み豊かな神さまを覚えたいと思います。いつも忍耐を持って私たちを守り導いてくださる神さまに感謝し、その神さまの御声にのみ聞き従うものになりたいと思います。