礼拝メッセージ

4月13日(受難週) 礼拝メッセージ要旨

 

「信仰の箱舟」                  創世記6章14~22節

ノアの箱舟は、水の上を漂い、また流されるままに進むことしかできない、文字通り箱のようなものでした。「こういう箱舟を造り、その箱舟に入りなさい。」それが、神がノアに与えられた命令であり、「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。」(創世記6:22)のです。それは全てを神にお委ねし、その御手の中に全身全霊を委ねたということです。ノアはその信仰に於いて、神に従う人であったのです。                               さてその箱舟のサイズは、長さ300キュビト(135メートル)、幅50キュビト(22.5メートル)高さ30キュビト(13.5メートル)です。相当に大きな箱舟です。この箱舟のサイズが、実はソロモンの神殿や、エゼキエルが幻の中で示された再建されるべきエルサレム神殿のサイズと一致するのです。ソロモンの神殿の幅と高さ、エゼキエルの神殿では、幅と長さが全く同じになるのです。ノアの箱舟は、神殿の象徴であり、その雛形なのです。ですから、どんなに大雨で嵐が荒れ狂っても、箱舟の中に入っている者は安全に守られ、平安であるように、早くから教会を表すシンボルとして「舟」が用いられておりました。教会(神殿)に集まる信者たちによって形造られている共同体、集団としての教会を「舟」のように考えたのです。そして昔から教会の人々はマタイの福音書8章23~27節に描かれている、主イエスと一緒に舟に乗っている弟子たちの姿を、自分と重ね合わせながら、自分のこととして読んできたのです。                 こうして神殿の象徴としてのノアの箱舟に入っている者が救われたように、新約聖書においては、それはキリストの教会となりました。さらに神が、ノアと結ばれた契約(創世記6:18)に変わって、私たちにイエス・キリストによる新しい契約をお与え下さいました。新しい神殿であるキリストの教会とは、この新しい契約に生きるキリスト者の集まりなのです。その教会が、滅び行くこの世という海原に漂っているのです。そして私たちは「この教会に入りなさい。そこに救いがあります。」と呼びかけ、招き、生きるために、今生かされているのです。

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