4月29日(日) 礼拝メッセージ要旨
「聞き方に注意しなさい」 ルカの福音書8章9~18節
聖書の中に多く使われている言葉に、「聞く」という言葉があります。「聞く」ということが信仰の基本だからです。聖書が、「聞く」ということを、いかに大切にしてきたかがわかります。特に旧約聖書の「イスラエルよ、聞け」という神の呼びかけ(申命記6章3節)、新約聖書の「聞く耳のあるものは聞きなさい」「聞き方に注意しなさい」という主イエスの語りかけ(ルカの福音書8章8節、18節)は、どちらも傾聴を促す言葉として重要です。主イエスが「聞く」ということを強調されたのは、神のことばが私たちを成長させ、大きくさせるからです。それは自分を確かめ、ここに自分がいると感じさせてくれる言葉だからです。情報化社会の中で、情報でない言葉、すなわち主イエスの語られる言葉こそが、私たちを確かな者にする。だから「聞き方に注意し」傾聴しなければならないのです。その「聞く力」が弱くなっていることが問題になっております。落ち着いて人の話を聞くことができない大人や子どもが増えております。いろいろな理由は考えられますが、特に家庭での親が子の、そして子が親の話に耳を傾けるということが軽んじられている状況があります。人は母の胎内にいる時から「聞く力」をもって生まれてきます。そして出産の直後から、すべて親が語りかけることばで生き方のほとんどを学びます。従って集中して聞く能力は養い育てるものです。まずは、親が子どもの語りかけに、じっくり耳を傾けることから始まるのです。今日の情報化社会にあって、忘れられているもの、それが耳を澄ますという生き方です。だからこそ、キリスト者は誰よりも、神のことば、主イエスのことばに耳を澄まし、親身になって聞くという姿を大切にしなければならないのです。その真摯な姿は主の日の礼拝においてこそ、真の姿があらわにされるのです。子どもと共に、神の言葉にじっくり耳を傾けることから聞く力を身につけたいものです。