7月1日(日)礼拝メッセージ要旨
「神の箱が奪われる」 サムエル記第一 4章12‐22節
本日の本文にはイスラエルの悲惨さがそのまま表われています。ペリシテ人との戦いで負けてしまったイスラエルは、約3万人程の人々が殺されます。そしてその戦場に担いで行った主の契約の箱までペリシテ人に奪われてしまいます。ペリシテ人との戦いで負けて多くの人々が命を失う、それだけでも大変なことなのに、神様の御臨在の象徴である神の箱まで奪われてしまうという絶望に陥ってしまいました。そしてそれで終わった事ではありませんでした。その知らせを聞いたイスラエルの人々は町中こぞって泣き叫びました。そしてその時の祭司であるエリは、その衝撃の大きさにより座っていた椅子からあおむけに落ち、首を折って即座に死にました。また、エリの嫁はその話しを聞いて陣痛が起こり、男の子を産みましたが、喜ぶところか「気にも留めなかった」と、その時の悲惨さを伝えています。さらに、その子の名前を「イ・カボテ」即ち「栄光がイスラエルから去った」とつけて、絶望に落ちているイスラエルの状態をそのまま現わします。ペリシテ人に負けてしまい多くの人々は命を失い、神の箱は奪われてもはや神様の栄光は去ってしまった。それがイスラエルの状態でした。
しかし、神様の導きはそのような絶望で終わってしまう事ではありませんでした。希望とは少しも見えない状態の中で、神様はイスラエルを見捨てません。諦めません。再び、神の民としての道に導いてくださり、祝福への導いてくださいます。神を捨てて偶像を拝んでいたイスラエル、その罪を悔い改めず、かえって神様をペリシテ人との戦いで勝利のために利用しようとしたイスラエルを、赦してくださり再び悔い改めの道へと導いてくださいます。私たちの目にはすべてが終わってしまったかのように見え、それ以上望みとは期待できない状況であるとしても、神様は変わることなく私たちを神の民としての道へ導いてくださるのです。