6月8日(日) 礼拝メッセージ要旨
「恵みの食卓への招き」 ルカの福音書14章12~14節
「逆説」という言葉があります。多くの人が一般に受容している真理に反する説。あるいは常識から考えると一瞬おかしいと思えることが、実は深い真実を言い当てている表現法のことです。昼食や夕食に招待する食事について語る主イエスのお話は、まさに逆説的な表現でした。食事に人を招くことは、人間の交わりの最も親しい関係を示すものです。従って会食は親しい人を招き、楽しく恵まれた時を一緒に過ごすというのが、私たちの常識です。しかし、主イエスは、そういう人たちより、普段交わりもなく、お返しもしない人たちを招くように話されました。(ルカ147:13~14)私たちの社会常識から考えれば、主イエスは、非常識なことをお語りになっておられると、批判してもよいのです。しかし、主イエスはここであえて、常識を破るようなことをお話され、私たちに何かを悟らせようとされておられるのです。このたとえ話は、主イエスがエルサレムに向かう最後の旅の途上で語られました。そこに在る主イエスの一貫して持ち続けられた思いというのは、何が神の御旨であり、そのため、自分の使命は何であるかということでした。特に救いについて、ここでの中心的な課題は、誰が招かれているかという事でした。主イエスは自分にはお返しができると考えている人は、ふさわしくない者であり、お返しができないと思っている人こそ、招きにふさわしい人たちであると言われるのです。誰が救われるのか、それは人間の業ではなく、ただ神の恵みによるという福音の真理をここで、明らかにされているのです。だからこそ、私たちは、神のご厚意、お心遣いにお返しができるとしたら、ただ神への愛と神への感謝のみ。それ以外に何も、神へお返しが出来ない者であることに、私たちが気付くことが大切なのです。