5月11日(日) 礼拝メッセージ要旨
「イエスの真正面に」 ルカの福音書14章1~6節
この日は安息日でした。神を礼拝し、神の祝福と安息とを受ける日です。魂の平安と共に体の安息も与えられる日です。したがって安息日ほど、いやしにふさわしい日はないはずです。それにもかかわらず、律法学者やパリサイ人たちは、主イエスが安息日の戒めを破るかどうかという一点で「みんながじっとイエスを見つめていた。」(ルカ14:1)という異様な光景からルカは14章を書き出すのです。さらにルカはもう一つ異様な光景を書き加えます。「そこには、イエスの真正面に、水腫をわずらっている人がいた。」(ルカ14:2)この箇所を原文で読みますと「主イエスのみ顔の前」「主イエスの真ん前にいた。」と書かれております。考えてみますと、主イエスと真正面から向き合うという、こんな恐ろしいことはありません。罪なき聖なるお方の前では、自分のみにくさ、汚らわしさ、罪深さがいやというほど、顕わにされるからです。人間同士の対面であるならば、自分を偽り、自分の欠点をかしく、相手を自分と比べながら、自分を少しでも良く見せたり、感じたりすることができます。しかし主イエスに真正面から向き合うということは、主イエスと自分とを比較して、どちらがすぐれているかという比較は、とうていできません。ただ主イエスの聖なる光に圧倒されるだけなのです。とするなら主イエスの真正面に座っているこの席は、主イエスによって死へと追いやられる裁きの場なのでしょうか。いいえ自分の罪が最も顕わにされるその場が、主イエスの赦し、恵みをいただく席でもあるのです。「イエスはその人を抱いて直してやり、そしてお帰しになった。」(ルカ14:4)とあります。そのように主イエスはあなたを愛し、罪を赦し、近づき抱いて下さり、「さあ安心して行きなさい。」と声をかけて下さるのです。ですから主イエスの真正面、それは特等席なのです。主イエスがあなたを招いて、そこに置いて下さるのです。あなたにとってそこは、「恵みの特等席」なのです。