4月17日(日) 礼拝メッセージ要旨
「みことばに堅く立つ教会」 使徒の働き17章1~15節
新年度の教会の出発に際し、私たちが模範とすべき教会が二つあります。それは、テサロニケとベレヤの教会です。 テサロニケの教会は、パウロが第二伝道旅行の時、ローマの市民権を持っていたシラスの協力を得て、教会建設が始まりました。しかし、パウロ達が迫害のためベレヤに逃れたため、しばらくの間無牧になりました。けれどもテサロニケの教会はりっぱに成長し続けました。後にパウロはテサロニケ教会に対して「あなたがたも、多くの苦難の中で、聖霊による喜びをもってみことばを受け入れ、私たちと主にならう者になりました。主のことばが、あなたがたのところから出て、マケドニヤとアカヤに響き渡っただけでなく神に対するあなたがたの信仰はあらゆる所に伝わっているので、私たちは何も言わなくてよいほどです。」(テサロニケ人への手紙第一1章6節、8節)と書き送りました。なんとすばらしい手紙でしょうか。ここに、無牧の中でも、信徒たちが信仰を働かせることにより、教会を建て上げることが出来るという、みごとな証拠が示されております。このテサロニケ教会の信仰の強さはどこから来たのでしょうか。それは聖書のことばに堅く立ち続けたからです。使徒の働き17章1~4節を見ますと、パウロが聖書に基づいて、イエス・キリストについて説き明かす中で、その福音を信じた幾人かのユダヤ人と異邦人達とが、最初のテサロニケ教会の信徒になったことが記されております ベレヤでは、パウロの語る聖書のことばによってテサロニケの教会より多くの者が信仰に入りました。(使徒の働き17章12節)何故でしょうか。第一にそれは、ベレヤのユダヤ人は「良い人たち」(使徒の働き17章11節)であり、素直に聖書のことばに対して開かれた心をもって、救い主イエス・キリストについて、福音の真理について聴き従ったのです。第二に「非常に熱心にみことばを聞く」(使徒の働き17章11節)人達でした。聖書のみことばを聞くうちに、これが真理だと感じたら、それをきちんと受け入れる心の用意をもって、みことばに耳を傾けていた人達でした。第三に聖書を開いて説き明かされた箇所を「はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた」(使徒の働き17章11節)人達でした。ベレヤの教会の人達はだれにもとらわれないで、すすんで聞いた話を吟味し調べたのです。ここに私たちプロテスタント教会の伝統、主張が示されております。私たちは教会の公の礼拝で牧師から聖書のみことばの説き明かしを聞くだけでなく、日々の生活の中で、それぞれが自由に聖書を読み、聖書を調べる権利が与えられています。これこそプロテスタント教会の主張であり、この権利は教会の歴史の中で戦いとられたものであることを忘れてはならないのであります。 今日、テサロニケやベレヤのような迫害で日本の教会から牧師を奪うようなことはないかもしれません。しかし信徒が日々素直な熱心な心で、一人一人聖書を調べ、神とキリストの御声を直接聞き取るということは、キリスト者生活の大切な事柄であることには変わりはありません。守山教会も『みことばに堅く立つ教会』として、一人一人がキリストの御声を聞き、聖書を通して神とお会いすることを喜びとし、信仰の成長を目指して歩み続ける一年でありたいと思います。