3月4日(日) 礼拝メッセージ要旨
「神を心に据える」 申命記8章11-20節
本日の本文が記されている申命記は、40年間の荒野での生活が終わり、神様からの約束の地、祝福の地、乳と蜜が流れるカナンの地に入ることを間近にしている時です。このような時に、神様が約束してくださった約束の地に入るイスラエルの民に残した最後の説教が申命記であるのです。そしてモーセは、自分のこの最後の説教で「あなたがたが約束の地に入っても必ず覚えなければならないことがある。忘れてはいけないことがある。」と強調したものが申命記全体の内容であります。本日の本文においても「覚えなればならない」「忘れてはいけない」などということが非常に強調されていることを見ることが出来ます。このように40年間の荒野での生活を終えようとする時、神様がモーセを通してイスラエルの民に何を教えてくださろうとされるのでしょうか。そして今日を生きている、信仰の道を歩んでいる私たちに何を覚えなさい、何を忘れてはいけないと語ってくださっているのでしょうか。
それは荒野での生活の中で共にいてくださった神様を覚えなさい、その神様の恵みを忘れてはいけない、ということです。もうすぐ約束の地であるカナンに入るイスラエルの民に、神様は他ではなく荒野で共にいてくださった神様を覚えなさいと強調しておられます。何故なら、その荒野での生活を通して神様はイスラエルの民の信仰を訓練させてくださったからです。そしてもう一つは、荒野での生活を通して神様の民はパンだけで生きるのではなく、神様の口からでるすべてのもので生きるということを教えてくださったからです。40年間、荒野で訓練を受け、神様からの恵みと力によって生活して来たイスラエルの民も、その生活が豊かになれば自然の神様のことを忘れてしまい、高ぶってしまうのです。その弱さを良く知っておられた神様は、彼らに神様のことを心に据えて覚えなさいと語ってくださいます。私たちも今まで守り導いてくださった神様のことを覚えて、そのみこころ通りに歩んで行く者となりたいと思います。