礼拝メッセージ

12月14日(日) 礼拝メッセージ要旨

 

「飼葉おけに生まれた方」            ルカの福音書2章1-7節

本日の聖書を見ますと、著者ルカは当時の歴史的背景を詳細に説明しています。それはローマ皇帝の勅令と神様のご計画とを対比して説明するためなのです。今日の聖書の内容は、一般的にはローマ皇帝の勅令によって田舎のガリラヤの些細な人がベツレヘムに旅をしているように見えるかもしれません。しかし、その旅は昔から神様によって予定されていたもので、神様のご計画の中で必ず成し遂げられることであったのです。ローマ皇帝の勅令によって住民登録が行なわれたのですが、それがきっかけとなって預言者ミカによって預言されたことが成就されるようになったのです。つまり表面的にはローマ皇帝が世界を支配しているように見えるが、その背後で世界のすべての歴史を支配しておられるのは神様であるということが描かれているのです。

それとともに、ローマ帝国の皇帝アウグストと飼葉おけに寝かせられた赤ん坊の救い主がとても強烈に対比されているのです。人間のアウグストは、ローマ帝国の皇帝で自ら神と称している、そして人々にそのように祭られているものです。しかし飼葉おけの神は、飼葉おけに寝かせられている赤ん坊で神も見放されているように可哀そうに見える赤ん坊です。ローマ帝国の皇帝と飼葉おけに寝かせられている赤ん坊という、人間的には比べる事さえできない対比の中で、この世の救い主がお生まれになったという事に注目したいと思います。

当時のアウグストは自らを神とした皇帝であって自分の権力の守るために勅令を下しました。しかしそれが、神様が遠い昔から定めておられたことが実現するためのものであったということになったのです。ローマ皇帝は自分の思いのままに世界を治めようとしていたのに、実はそのローマ皇帝は神様のご計画の中にいたということです。人間の勝手な思いが実は神のご計画の中にあるものであり、そんな勝手な思いをする人間に救い主を与えるという神様の愛がクリスマスの出来事に表われているものです。

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