10月24日(日) 礼拝メッセージ要旨 伊藤京一教師
「ヨセフ」 創世記37章1~36
時代は紀元前2000年頃に生きたイスラエル民族の祖先アブラハムの子イサクの子ヤコブの時代。神は恵みのうちに彼らと祝福と繁栄の契約を結んでおられた。ヤコブの子は息子十二人と娘一人であり、彼らは二人の妻と二人の女奴隷によって生まれた。ヨセフはヤコブの最愛の妻ラケルとの間の子であり、しかも父が年を取ってから生まれたので、特に愛し可愛がっていた。父は高級なそでつきの長服をヨセフにだけ作って着せてやっていた。ヨセフは十七歳の時、兄たちと羊の群れを飼っていたが、彼らの悪いうわさを父に告げ口した。またある時ヨセフは二つの夢を見た。第一の夢は畑でヨセフがたばねた束を兄たちの束が回りに来ておじぎをしたというものであり、第二の夢は太陽と月と十一の星が彼を伏し拝んでいるというものであった。「太陽と月」は父と母、「十一の星」とは兄弟たちを指しているということは彼らにはすぐわかった。さすがにこの時は父も彼を叱り、兄たちは彼をねたみ、ますます憎むようになった。その後、羊を飼っていた兄たちの所に父のもとから使いにやられたヨセフを見つけた兄たちは彼を捕らえて殺そうと企てる。ねたみ、憎しみはついに殺意にまでふくれあがった。最終的に彼はエジプトに交易のために行くイシュマエル人の隊商に銀二十枚で売られてしまった。兄たちはヨセフが悪い獣に殺されたという偽装工作をし、父ヤコブは何日もの間激しく嘆き悲しむ。一方ヨセフはエジプトへ連れられて行き、そこで奴隷としてエジプトの王パロの廷臣、侍従長ポティファルという人物に売られた。
父の偏愛、ヨセフの高慢、兄たちのねたみ、憎しみ、殺意。問題だらけの家族である。しかし、契約に忠実な神はそのような人間の罪深さ、愚かさをなおも摂理のうちに用いられてイスラエル民族の歴史を新しい局面に導いていかれる。神はこのイスラエル民族の歴史を通してご自身のみこころ、救いの計画を示され、救い主イエス・キリストもこの民族を通して来られる。